忠臣蔵 義の連鎖

刃傷松の廊下

元禄14年3月、江戸城松之大廊下で浅野長矩は吉良義央に斬りつけ、即日切腹を命じられた。理由については諸説あるが、礼法指南のやり取りから生じた恨みが引き金となったと考えられている。

主君を失った赤穂藩士たちは城地返上を迫られ、瞬く間に浪人と化した。理不尽な処罰に対する義憤が、のちの討入り計画の火種となる。

潜伏と準備

大石内蔵助は表向きは遊興にふける姿を演じ、幕府の監視の目を欺いた。その裏で四十七士は浪人として各地に散り、情報収集や武具調達、仇敵の動向把握を密かに進める。

家族を離縁させて巻き込みを防ぐ者、商人に身をやつし資金を蓄える者など、それぞれが役割を分担して誓いを守った。

語り継がれた忠義

討入りの故事は歌舞伎や浄瑠璃で脚色され、忠臣蔵として庶民文化に浸透した。武士の忠義と義理人情を描く代表的な物語として、年末の上演やドラマで繰り返し再演されている。